終末を待つだけの雑記

永久に青春を感じる中年がお届けします

【プロット-16】 忘我と復讐

16日目

 

そらがないているようだ、と彼は言った。そうして傘をさすと、雨が降った。彼女はずぶ濡れになり、雨に泣いた。二人にはまだ生まれていない子どもがいた。だが、残酷な運命は彼らから大切なものを丸ごと奪っていった。二人にはもう子供を作ることはできなかった。体も、心も衰弱してしまった二人は、枯れた人間となってぴったりと歩いた。新しい運命を受け取ることはできず、ただ毎日を繰り返していたが、彼女の堕胎が仕組まれたものだと知った時、二人は打ち震え、枯れた分を取り返すように犯人を探し始める。それが、最も近い先生のことだと知った時、二人の精神はまた瓦解し、またもう一度枯れてゆくのだった。

 

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